犬の“笑顔”を見ると「楽しそう!」と思う飼い主さんは多いですよね。
口を開いて「ハハッ」と笑っているような笑顔、口角をグッと上げた「ニンマリ」したような笑顔…
毎日一緒に過ごしていると、いろんな笑顔に出会っているはずです。
でも実は、犬はストレスを感じたときにも笑顔のような表情を見せることがあるのをご存じですか?
これは「カーミングシグナル」と呼ばれる行動のひとつ。
犬のサインを理解することで、もっと愛犬の気持ちを正しく読み取れるようになります。

犬の「笑顔」がストレスの合図になることも?
カーミングシグナルとは、犬同士がケンカを避けたり、自分を落ち着かせたりするために見せる“平和のサイン”です。
例えばこんな行動も、実はカーミングシグナルの一部。
- 口を開けて舌を出す
- 目を細める
- 体を横に向ける
- あくびをする
- 身震いをする
- 尻尾を振る

「笑っているように見える顔」も、この一種に含まれることがあります。
こんなときは「ストレス笑顔」かも
もちろん犬は、本当に楽しいときにも笑顔のような表情を見せます。
でも次のようなシーンでは“ストレス笑顔”の可能性があります。
- 集合写真でじっとさせられているとき
- 人混みや大きな音がある場所
- 動物病院や知らない犬と出会って緊張しているとき

写真フォルダを振り返ると、「あれ、楽しそうに見えて実は緊張していたのかも?」という1枚があるかもしれません。
本当に楽しい笑顔 vs ストレス笑顔の見分け方
本当に楽しいときの表情(一例)
- 目がやわらかく開いている
- 耳がリラックスしている
- 自然な呼吸で口角が上がっている


ストレス笑顔の特徴(一例)
- 白目が見えるほど目を見開く、または極端に細めている
- 舌を大きく出して、過剰または不規則なパンティングをしている
- 体が硬直している、または落ち着かずソワソワしている
- 耳が後ろに引かれている
- 口元に緊張からシワが寄っている
ただし、犬の個性(垂れ耳か立ち耳か、顔の形など)でも見え方は変わります。
また「笑顔でなくても喜んでいる」こともあるので、笑っていない=不幸せ、というわけではありません。


「笑顔」だけじゃない!犬の本当の気持ちを読み取るコツ
犬は口元だけでなく、目・耳・尻尾・体の向きなど、全身で気持ちを表現しています。
「口が開いている、口角が上がっている=笑っている」と単純に決めつけてしまうと、本当の気持ちを見逃してしまうことも。
今度カメラを向けたときは、ぜひ全身を観察してみてください。
「この場所は好きなんだな」「ここはちょっと苦手かも」といった気づきが、きっと増えるはずです。
- 笑顔が見えるシチュエーション
- 表情と体全体の動き
この2つを合わせて観察することで、愛犬の気持ちをより深く理解できます。
犬の笑顔は必ずしも「嬉しい」だけを意味するものではなく、ストレスや緊張のサインかもしれないという認識をもって「笑ってるから大丈夫」と思い込まずに、「本当に楽しい笑顔」かどうかを見極めること。
それが愛犬との信頼関係をもっと深める第一歩になるでしょう。
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この記事を読んで、「うちのコの気持ちをもっと知りたい」と思った方は、ぜひお早めにチェックしてみてくださいね。


原案・監修:いぬのまどぐち/ドッグトレーナー・片寄智慧
編集・校正:いぬのまどぐち/今村奈緒菜

