「うちの子、歩くのが嫌いだからアウトドアなんて無理…」
そんなふうに思ったこと、ありませんか?
でも実は、散歩が苦手な犬=アウトドアも苦手というわけではないんです。
同じ“外”でも、犬にとってはまったく違う世界が広がっているのです。

目 次
散歩嫌いでも楽しめる!犬目線で見た“散歩”と“アウトドア”の違い
散歩と聞くと、私たちにとっては「近所を歩く日常の外出」ですよね。
でも犬にとっては、散歩のルートには
- 車やバスの騒音
- 通行人や自転車
- 他の犬や苦手な匂い
…といったストレスの原因がたくさん潜んでいます。
一方、山や川、海、公園など自然の多い場所は、
- 人や車が少ない
- 自然の匂いや音が中心
- 開放感があり安心できる
といった特徴があり、犬にとっては散歩よりもリラックスできることも多いのです。
実際に、私の周りにも「散歩ではすぐ帰りたがるのに、SUPや山登りでは目を輝かせて楽しむ子」がたくさんいます。
苦手なのは“外”ではなく“特定の環境”。これを知るだけでも、愛犬との外遊びの幅はぐっと広がります。

苦手を避けて“安心して楽しめる外”を選ぶのがカギ
散歩が苦手だからといって、外に出ないのは少しもったいないこと。
大事なのは、
- どんな刺激が苦手なのか
- どうすれば避けられるか
を考えながら、その子に合った安全な外環境を見つけてあげることです。
犬は本来、外での体験を通して好奇心や安心感を育む動物です。
もし怖がりな子であれば、
- 子犬期の社会化経験が少なかった
- 外で怖い思いをした
- 音や動きに敏感な性格
といった背景があるのかもしれません。
だからこそ、いきなり慣らすのではなく「安全な体験」を少しずつ積み重ねていくのがおすすめです。
散歩は日課、アウトドアは“ごほうび時間”に
散歩は日々のストレス発散としての日課、アウトドアは犬にとっての特別なごほうびと考えると、飼い主さんも前向きになれます。
普段のお留守番や買い物に付き合ってくれている愛犬に「ありがとう」の気持ちを込めて、
- 人が少ない時間の公園
- 少し足を伸ばした自然道
- のんびりピクニック
など、小さな外遊びから始めてみませんか?

「外が苦手」=その“外”の環境が合っていないだけかも
優しい飼い主さんほど「無理に連れ出すのはかわいそう」と感じることもあるはず。
でも、「何が怖いのか」「どんな環境なら安心できるのか」を観察すれば、愛犬らしい楽しみ方は必ず見つかります。
たとえば…
- 車で移動して苦手な道を避ける
- 匂いを嗅ぐだけの時間をつくる
- 人の少ない早朝や夕方に出かける
などの工夫で、犬も少しずつリラックスして過ごせるようになります。
外遊びは、犬の世界を広げるだけでなく、飼い主さん自身の気分転換にもつながりますよ。
「うちの子と自然を楽しむ時間」、ぜひ作ってみてください。

原案・監修:いぬのまどぐち/ドッグトレーナー・片寄智慧
編集・校正:いぬのまどぐち/今村奈緒菜