「ドッグランで挨拶させた方がいいのかな?」「うちの子、他の犬と仲良くできないかも…」と不安になったことはありませんか?
犬同士の挨拶は大切なコミュニケーションのひとつですが、実は必ずしも「うまくできること」がゴールではありません。
むしろ、無理に挨拶させようとすると、犬のストレスを高めたり、吠えや噛みつきなどの問題行動を引き起こすことも。
本当に大切なのは「挨拶できるかどうか」ではなく、他の犬が近くにいても落ち着いて過ごせることです。
この「落ち着き力」があれば、ドッグカフェやイベント、お散歩中でもストレスなく過ごせるようになります。
ここでは、挨拶の失敗例やタイミングの見極め方、「挨拶できなくてもOK」と思えるヒントをご紹介します。

挨拶を“目的”にしない!無理は逆効果
「犬同士の挨拶は社会性を育てるための必須ステップ」と思っていませんか?
確かに挨拶は良い経験になり得ますが、毎回必ず挨拶させようとすると逆効果になることもあります。
よくある失敗例
- 毎回必ず挨拶をさせる
→ 犬が「犬を見たら挨拶するもの」と思い込み、犬を見るだけで興奮・吠え・引っ張りが増える - 嫌がっているのに近づける
→ 飼い主がリードを引っ張って近づけたり、無理やりお尻を向かせたりすると、自分を守るために吠えや噛みつきが出ることも

飼い主主導の「犬のあいさつ」、無理にやっていませんか?その時の愛犬・相手の犬の反応を思い返してみてください。
挨拶させる?避ける?判断のポイント
次回、犬と会う場合に備えて、ぜひチェックしておくと、不安な気持ちにきっと余裕が出ますよ。
挨拶をさせてOKな場面
- 犬同士が自然に近づき、お互いに興味を示している
- 体の力が抜けてリラックスしている
⚠️ 避けた方がいい場面
- 互いにリードが張ったまま近づいている
- どちらかが一方的に近づいている
- 尻尾が下がる、耳を伏せるなど緊張や警戒のサインがある
- 吠える・固まる・うなるなど相性が悪そうな場合

ポイントは、犬自身が挨拶したいかどうかを見極めること。興味を示さないなら、無理に挨拶させなくても大丈夫です。

「挨拶できる」より「落ち着ける」が最強スキル
犬同士の挨拶は「できたらラッキー」くらいで十分。
それより大事なのは、他の犬が近くにいても落ち着いていられることです。
このスキルがあると、
- ドッグカフェで他の犬と同じ空間にいるとき
- イベントでたくさんの犬とすれ違うとき
- 公園で犬が近くを通るとき
こういった場面でもストレスなく過ごせます。

「質の高い挨拶」を目指そう
もし挨拶させるなら、数より質を重視しましょう。
質の高い挨拶の条件
- 犬がお互いに自然なペースで近づく
- 飼い主は距離を調整して静かに見守る
- 嫌がったらすぐ離れる

もし嫌がった場合、その後、また犬が嫌がらない距離まで近づき、挨拶を嫌な経験で終わらせないように心がけましょう。
ただし現実的には、相手の飼い主が一方的に近づけてくる場合も多いもの。
こういった経験を安全にさせたいなら、グループレッスンを行っているしつけ教室などが安心です。
挨拶の途中で犬がブルブル震えたり、あくびをしたら「ちょっと緊張している」サイン。
距離を取ったり遊びに切り替えて、リラックスさせてあげましょう。
「挨拶できない=問題のある犬」ではない!
「うちの子、挨拶できないからフレンドリーじゃないのかな…?」と心配しなくても大丈夫。
犬にも好みや相性があります。人間と同じで「この子は好き」「この子はちょっと苦手」と感じるのは当たり前です。
無理に挨拶させるプレッシャーは犬のストレスを増やし、問題行動につながることも。
大切なのは、愛犬の気持ちを尊重することです。
10~15頭の少数制・5時間程度の長時間同じメンバーといられる・トレーナー常駐の“INUMADO MEET”のイベントなら、犬慣れの練習も焦らずゆっくり、安全に行うことができます。
何度もイベントに来て、様々な犬とともに時間を過ごすことで、成長が見られる子たちが多くいます。
仲間がたくさんいる環境で、無理せず、愛犬のペースで少しずつステップアップしてみませんか?

原案・監修:いぬのまどぐち/ドッグトレーナー・片寄智慧
編集・校正:いぬのまどぐち/今村奈緒菜