「うちの子、ごはんを食べてくれなくて…」
特に小型犬の飼い主さんからよく聞くお悩みです。
そんなとき、多くの人が試すのは“トッピング”。チーズやお肉、ふりかけなどをフードに乗せて「食べてもらう工夫」をします。
もちろんトッピングが悪いわけではありません。ただ、「食べないからトッピング」を続けると、トッピングなしでは食べなくなったり、刺激が強いものを求める“悪循環”になりがちです。
トッピングをする前に、一度立ち止まって「なぜ食べないのか?」を考えてみませんか。

「食の楽しみを広げるもの」としてのトッピングは大歓迎。
あくまで“補助”として、バランスよく取り入れましょう。
食欲がないのには、必ず理由がある
「食べる」という行動は、生きるために必要な本能です。
人間も体調が悪かったりストレスがあったりすると食欲が落ちるように、犬も「食べない」ことには理由があるはずです。
まずは健康診断などで体調の問題がないかを確認しましょう。
問題がなければ、次のステップへ進んで原因を探ります。

フードや間食の量は適正?「与えすぎ」サインを見直す
「うちの子食べないんです…」と相談を受けてみると、意外とぽっちゃりな犬も少なくありません。
フードパッケージの給与量はあくまで“目安”。実際の必要カロリーは年齢・体重・避妊去勢の有無・運動量などで大きく変わります。
一度「必要な1日のカロリー量」を計算してみましょう。

給餌量計算サイトのおススメはこちら!
日本動物医療センター公式サイト内:ペットの1日フード量計算(犬・猫)
もし十分なカロリーを摂っているなら、「お腹が空かない」のは当然かもしれません。
主食は少なくても、おやつや果物、犬友や家族からのおすそ分けで意外と必要カロリーを満たしている犬も多いものです。
一度、1日で口にした“全部”を書き出してみるのがおすすめ。
間食が習慣になっているなら、フード量を調整してみましょう。
犬にとっては食事と遊びは紙一重!?
犬の祖先は食べ物を「見つけて」「追って」「捕まえて」「食べる」生活をしていました。
しかし現代は、毎日同じ時間・同じフード・同じ場所で食べるだけ。これでは刺激が少なく、食事が退屈になってしまうことも。
- フードを床に投げて探させる
- フードが出てくる知育おもちゃを使う
など“与え方”を変えるだけで、「ごはんの時間」が楽しいイベントに変わります。
「フードを床に投げて探させると、拾い食いにつながるのでは?」と思われる方も多いですが、実はそんなことはありません。犬も「どこ(人の手やおもちゃ)」からフード出てきたのかを理解しています。


もしかしたら運動不足ということも?1日中ゴロゴロしていると、人間も犬もお腹は空きにくいものです。
たっぷり遊び、散歩やトレーニングで刺激を増やして「自然にお腹が空く環境」を整えてあげましょう。
「食べない」は犬からのサイン
犬がごはんを食べないとき、それはわがままではなくサインです。
- フードの量が多すぎない?
- 間食で満腹になっていない?
- 運動量は十分?
- 食事環境は快適?
- トッピングが前提になっていない?
一つずつ見直すことで、原因が見えてくるはず。
「なぜ?」を丁寧に考えることが、犬をもっと理解する第一歩です。

原案・監修:いぬのまどぐち/ドッグトレーナー・片寄智慧
編集・校正:いぬのまどぐち/今村奈緒菜

